殿堂入りのお皿たち

世の中にあまた煌めく珠玉のお皿たちの記録

⌘ 日本料理

殿堂入りのお皿たち その240【セルサルサーレ の 玉葱のスープ】

セルサルサーレ、文字通り、塩塩塩という店名のお店。 そちらの玉葱のスープがこちらですが、玉葱と言えば、えもいわれぬ甘みが特徴。 しかし、それを一層引き出すのは塩の役目。 こちらのお店の力を発揮するまたとないお皿。 そして結論は見た目の美しさの…

殿堂入りのお皿たち その231【エクアトゥール の ガスパチョのセルクル仕立て】

イノベーティブフュージョンの隠れた名店であるエクアトゥールさんですが、 その範疇は、フレンチ、和、中華にとどまらず、スペインをも包含する。 このセルクルの中には、あらゆる要素が詰まっているが、なんとオレンジの色は、ガスパチョテイストである。 …

殿堂入りのお皿たち その225【くろぎ の 鱧そうめん】

泣く子もだまるくろぎさんですが、 とある日の一品目のお皿が、これでした。 いきなり、脳天打ち抜かれましたね。 鱧のそうめんとは、なんとも贅沢で、これはくろぎさんならでは。 豪華な食材を前面に出すよりも、鱧のような(もちろん贅沢ですが)魚で、 こ…

殿堂入りのお皿たち その223【山﨑 の モルダウのごとき流れの日本料理】

お料理は、もちろん一品の力が大きいわけですが、 流れの中で力を発揮するお皿もあります。 そういう意味では、殿堂入りのお皿たち、という言葉だけでは、お料理を語れないのは明らかです。 そこで、本日は趣向を変えて、流れの妙に殿堂入りを出させて頂きま…

殿堂入りのお皿たち その220【魚伊 本店さん の 関西風うなぎ】

関西の人からすると、怪訝に思われるかも知れないが、 関東者の私からすると、関西の蒸さないうなぎはあこがれである。 個人的には圧倒的に、関西鰻の方が好きです。 しかし、関西でも関東風のうなぎ屋さんが増え、関西風は少数派になっているようです。 こ…

殿堂入りのお皿たち その218【セクレトさん の 富士山の薪のお皿】

セクレトさんといえば、驚きのあるお皿を連発する分子調理法の系譜を継ぐお店である。 このお皿は、蓋を開けた際に燻煙が立ち上るお皿です。 動画を載せれないのが申し訳ない。 天城軍鶏が一層引き立つ香りで包まれています。 tabelog.com

殿堂入りのお皿たち その211【かんだ の お椀】

お椀は、やはり日本料理の華である。 お椀での味が、全てのお皿の料理の味の根底となるからである。 かんださんのお椀は、塩味も旨味も派手さは無くぎりぎりの線を攻めてくる。 それだからこそ、最後に昆布の旨味がふわっと襲ってくるという味わいが強調され…

殿堂入りのお皿たち その200【蒼さん の 玉葱のムース】

食に対するこだわりについてはマニアとしか言いようのないお店です。 カトラリーにはステンレスを一切使わないというこだわりよう。 それは、素材の味をストレートに伝えるために必要な手段なのだと思われます。 こちらの玉葱のムースは、必要最小限の味付け…

殿堂入りのお皿たち その198【日本橋 蕎ノ字 の 雲丹の大葉巻の天ぷら】

蕎ノ字さんは、アツアツの天ぷらが美味しいですが、その本領が発揮されるのが、雲丹の天ぷら。 香ばしさと蒸しによる絶妙な火入れが唯一無二の雲丹料理となって具現化しています。 大葉は天ぷらにするために必要なのかも知れませんが、大葉も良い味を出して…

殿堂入りのお皿たち その190【新ばし 星野のお椀】

やはり日本料理を頂くとき、お椀が一番緊張します。 その味わいは、個性が凝集されており、脂分に頼ること無く、出汁で勝負を挑んでくるのですから、気を引き締めてかからねばなりません。 星野さんは、記憶が間違っていなければ、京味さんの系譜を引き継い…

殿堂入りのお皿たち その180【松川 の ばちことホタテのお椀】

※時差更新です。リアルタイムではありません。 やはりお椀は日本料理の華、そのお店の個性が表れやすいです。 このお椀は、上部に芳ばしく塩気のあるばちこ、お椀の中には甘さのあるホタテの貝柱。何とも、食べ手を惑わせるお椀です。 ばちこは、そのままで…

殿堂入りのお皿たち その177【蒼 の ほうれん草】

※時差更新です。リアルタイムではありません。 人間、生き物の命を奪わねば生きていけない。 それは、植物を食べる場合でも同じこと。 生物が作り出す有機物を摂取せねば生きていけない。 炭水化物はもっとも重要な栄養の一つであるので、人間はその味覚を甘…

殿堂入りのお皿たち その173【佐乃家さん の 液体窒素ジェラート】

※時差更新です。リアルタイムではありません。 近年では、料理の世界にも科学が入り込んできている。 こちらのデザートは、液体窒素で瞬時に作り上げたジェラートである。 液体窒素は−196℃であるので、大抵のものはすぐに固まる。 しかし、単に固まるだけ…

殿堂入りのお皿たち その171【味享さん の 筍のはさみ揚げ】

※時差更新です。リアルタイムではありません。 やはり、季節を感じさせるお料理というのは、 味の面から見ても、心の面から見ても、印象に残りますね。 こちらは、筍とホタテを組み合わせたはさみ揚げ。 食感のバランスと、さらには、味のバランスも最高で、…

殿堂入りのお皿たち その167【と村さん の 鯖鮨】

※時差更新です。リアルタイムではありません。 と村さんといえば、東京にいて京都を感じられるお皿を頂ける数少ないお店。 京味さんのDNAも引き継ぎながら、一切に媚びない哲学をも感じさせるお店です。 そのと村さんの鯖鮨が絶品過ぎます。 これは幾つでも…

殿堂入りのお皿たち その163【くろぎ の 焼き胡麻豆腐】

※時差更新です。リアルタイムではありません。 いわずもがな、和の鉄人、くろぎさんの長きにわたるスペシャリテです。 突き出し的に出てくるお皿ですが、高温の陶板の上にのせられた胡麻豆腐を自分で焼きながら頂きます。 焦げた醤油と胡麻の香りが、食欲中…

殿堂入りのお皿たち その160【鮨すが弥 の ふぐの白子雲丹ごはん】

※時差更新です。リアルタイムではありません。 お鮨やさんは、やはりお鮨を握りたいのでしょうが、 それでもやはりお鮨やさんのつまみはしばしば驚くほど美味しいことがあります。 ちょうどつまみの量で小さな宇宙を作るわけですが、その小さな宇宙に全霊を…

殿堂入りのお皿たち その159【麻布かどわき の フカヒレの唐揚げ】

※時差更新です。リアルタイムではありません。 ふかひれのお料理は多々あれど、フカヒレを揚げてしまう料理はとても珍しい。 それもミシュラン三ツ星のお店で、このような変わり種を出してくるとは驚きです。 普通だったら油っこくなって食べられないような…

殿堂入りのお皿たち その149【くろぎ の 津居山港の蟹】

もちろん蟹には多くの種類があり、それぞれ特徴があるわけですが、 その種類だけではなく、もちろん、その個体によって味は大きく変わってきます。 そして、さらには、同じ個体であっても、その扱い方によっても味は大きく変わってきます。 魚で言えば、活け…

殿堂入りのお皿たち その143【銀座ふじやま の 間人蟹(たいざがに)】

日本の冬の味覚の代表的なものの一つが蟹である。 間人蟹は松葉蟹の中でも特に厳選されたブランド蟹である。 京都の丹後半島の一部で水揚げされた蟹であり、そのブランドを示すために特別のタグが付けられる。 蟹は美味しいのだけれど、自分で殻から食べると…

殿堂入りのお皿たち その132【くろぎ の クエ】

クエといえば言わずと知れた高級魚ですが、同じお造りでも、当然調理によって味は変わってきます。 なにものも皮目の部分が美味しいことがあるのですが、クエも上手にうろこを処理すれば、皮目ギリギリまでを味わうことが出来ます。 くろぎさんの執念とテク…

殿堂入りのお皿たち その129【虓 の ビスクカレー】

世の中、レストランの数は限られていると言えど、 驚きのお皿が尽きることはない。 カレーは数々食べてきたけれど、 驚きのカレーが尽きることはない。 こちらは、虓さんの〆に出されるカレーです。 コース料理の〆だからと言って、単なるおまけではありませ…

殿堂入りのお皿たち その128【トラヤ の 葛きり】

世の中の食べ物は、大量生産、便利さの名の下に、ちょっと言いすぎかも知れないが、まがいものが氾濫している。 例えば、代表的なものが、この葛きり。 葛きりの美味しさは、デンプンのアルファ化に密接に関連しているので、本来、作り置きは困難なもの。 お…

殿堂入りのお皿たち その125【くろぎ の 蟹しんじょうの薄氷椀】

怒濤の素材攻撃がとてつもない、大門のくろぎさんですが、 西さんゆずりの、滋味深い料理ももちろん素晴らしいです。 例えば、こちらの蟹のしんじょうのお椀は塩を含めて殆ど余分な味付けをしていません。 蟹の自然な甘さと塩気でのみの勝負。 但し、やはり…

殿堂入りのお皿たち その124【かつお食堂 の かつお節めし】

何かに特化したお店というものは、少なくともその一点において、唯一無二の料理を出せる確率が高まる。 こちらは、鰹節に対する愛と、削り立てのかつおぶしをウリとする珍しいお店である。 てんこもりの削りたての鰹節、そして、鰹節が減ってくると間髪いれ…

殿堂入りのお皿たち その123【長谷川稔Lab の すき焼き?】

真空技術で、3回、すき焼きライクな味をしみこませた牛。 真空調理や低温調理と言っても、テクニックや労力の割に味が伴わないことも多いが、真空技術はこのためにある!と思わせるお皿。 独創性といい、技術といい、美味しさといい、唯一無二と言っても良…

殿堂入りのお皿たち その120【赤坂詠月 の しめサバの握り】

鯖、とても面白い魚ですよね。 必ずしも高級魚とは見なされていませんが、ツボにはまったときの美味しさは並の高級魚を遙かに凌駕します。 首折れ鯖などの新鮮系も美味しいわけですが、やはり、しめサバは堪えられない美味しさがあります。 その中でも、赤坂…

殿堂入りのお皿たち その110【鮨さいとう の 握り】

2019年は、まさに鮨ブームの年でした。 これがブームなのかずっと続くのかはわかりませんが、その頂点に君臨したのが、鮨さいとうさん。 会員制と解釈され、ミシュラン(三ツ星)からは姿を消しましたが、それでも、さいとうさんが頂点である事を疑う人は殆…

殿堂入りのお皿たち その109【くすのき の 敷紙に油がつかない天ぷら】

敷紙に油がつかない天ぷら。 なんだか漫画の中では見たことがあるような場面ですが、 くすのきさんの天ぷらは、本当に敷紙に油がつきません。 その秘訣は、主には衣、そして、油の温度なども関係するのでしょうが、驚きのテクニックです。 東京には日本中の…

殿堂入りのお皿たち その102【ディズユイット の 穴子のテリーヌ】

殿堂入りのお皿とは、まさにこのお皿のためにあると言えるほどのお皿。 付け合わせにも全く手抜きはないが、なんと言ってもテリーヌの出来映えが凄い。 だいたいテリーヌに悪者なし、と言うのが私の家訓のようなものなのですが、 そのテリーヌの中でもずば抜…