殿堂入りのお皿たち

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コロナウイルスの見通し27 ”PCR検査を倍にすれば、接触「5割減」でも収束可能?”

PCR検査の意味は、現状の理解という意味がある。

現状の理解に加えて、罹患者を隔離した場合は、終息の時期を早める効果があると予想できる。

終息のシミュレーションは、単純なSIRモデルを用いてなされてきたが、その式にPCR検査での陽性者を隔離するという修正をした解析結果が出て来た。

このような解析はさほど難しいわけでは無く、専門家からの報告としてはむしろ遅いと思われるが、結果は以下のようなものであったらしい。

 

「「接触機会削減」と「検査・隔離の拡充」という二つの対策によって新規感染者数が10分の1に減るのにかかる日数を計算したところ、検査数を現状に据え置いたまま接触機会を8割削減すると23日、10割削減(ロックアウトに相当)でも18日かかるとした。一方、検査数が倍増するなら接触機会が5割減でも14日ですみ、検査数が4倍増なら接触機会をまったく削減しなくても8日で達成するなど、接触機会削減より検査・隔離の拡充の方が対策として有効であることを数値ではじき出した。

 国は1日のPCR検査の能力を2万件まで拡充できるとしているが、実施数は最大9千件にとどまる。小田垣さんは「感染の兆候が一つでも表れた時点で隔離することが有効だろう。接触機会を減らす対策はひとえに市民生活と経済を犠牲にする一方、検査と隔離のしくみの構築は政府の責任。その努力をせずに8割削減ばかりを強調するなら、それは国の責任放棄に等しい」と指摘している。」

https://digital.asahi.com/articles/ASN557T4WN54ULBJ01C.html?pn=7

 

10割削減(ロックアウトに相当)でも18日かかるのに、検査数が4倍増なら接触機会をまったく削減しなくても8日で達成する、というのがちょっとわからないが、定性的には予想されたとおりのシミュレーション結果である。

 

この記事を書いた記者(嘉幡久敬)は、こうも語っている。

「国のシミュレーションはクラスター対策班が一手に握る。・・・そのような中で、計算結果の正しさを主張するなら、計算手法や使う数値などの情報を公開すべきだが、これまで明らかにしていない。・・・詳しいデータの早期公開を実現し、他の専門家の試算も交えながらオープンな議論を進めるべきだ。その過程を経ずして「科学」をかたってはならない。」

 

勇気ある意見だが、全くその通りであり賛成である。

しかし、そうであるなら、この修正SIRモデルの詳細を知りうる論文?のリンクも紹介してくれるとありがたいのだが。