殿堂入りのお皿たち

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コロナウイルスの見通し6 あり得る3つのシナリオ

※本記事は、個人で書いたものであり、間違いを含んでいる可能性があります。必ずしも、全てが正しいと は限らないことをご了承下さい。

 

前記事で書いたように、

韓国やオーストラリアの罹患者数推移や、SIRモデルによるフィッティングによれば、早ければ今月内にも、明確な罹患者数増加の頭打ちが見られるかも知れない。

科学者としては問題があるが、一般的な人情としては、4月中に光が見えてくる可能性がある、という見込みは大事なものであろう。

 

しかし、根拠の無い楽観論は、本質的ななぐさめにはならないので、ここでは、もう少し、数式を用いないレベルでの理論的なまとめをしておこう。

以前も、述べたように、コロナ禍の終息には、主に以下の3つの道がある。

1)ウイルスの根絶

2)集団免疫の獲得

3)治療薬、ワクチンの開発

 今、日本で行われている半隔離政策は、医療崩壊を防ぐために、感染者数のピーク値を低くするために行われているという理解が大半であろう。しかし、もし、そうであるならば、コロナ禍の期間を間延びさせているだけということになり、実は悲観的な考えにつながる。

 下図は、医療崩壊を起こさないために、半隔離が有効である事を示すことに使われる図であり、いかにももっともらしい図ではあるが、幾つかの問題がある。赤線の面積(積分値)と青線の面積が、ほぼ同じか、もしくは青線の方が大きく見える。これは、半隔離をしても、感染者数は変わらないか、もしくは増えることを意味している。この図の通りに物事が進めば、死亡者は減らせると思われるが、感染は長い間続き、それゆえに、経済的打撃は大きいというかなり悲観的な将来像となる。いわば、国民全体(6割以上で有効)が抗体を持つことによる集団免疫の獲得(2)のみをシナリオに組み込んだ図ということである。

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 この図の問題点は、隔離による”壁”が産むウイルスの根絶(1)を考慮に入れていないことである。ある一定の区画で壁を作ることができれば、その壁の中でウイルスが(罹患者の死亡や回復による免疫獲得により)根絶されれば、その壁の外に免疫が形成されていなくても、全集団におけるコロナ禍は解消される。実際に、韓国などでの、終息に近い現状は、集団免疫の獲得(2)だけとは考えにくく、隔離による”壁”が産むウイルスの根絶(1)と集団免疫の獲得(2)の合わせ技と考えるのが妥当であろう。すなわち、隔離が有効に行われるほど、上図の青の線は、ピーク値がもっと低い位置に来ると期待して良い。もちろん、このシナリオに、治療薬、ワクチンの開発(3)が加わってくれば、さらに、劇的な積分値の減少が期待できる。

 

もちろん、外国からの第2波を入れない、などの注意点はあるが、

やはり、隔離の効率を上げて、ピーク値を小さくするとともに、隔離による”壁”が産むウイルスの根絶(1)の効果をあわせて、面積も小さくするというのが最良の方法であるように思う。

そうすれば、一部の国のように、30日程度での感染の制御が可能となろう。

PCR検査数にもよりますが、隔離が有効に機能すれば、4月下旬にピークが来ると予想します。