殿堂入りのお皿たち その224【中村屋 の インドカレー】
お料理の味で決まる殿堂入りもありますが、やはりいろいろな要素が絡んできます。
まあ人間ですから、お店の雰囲気や、コスパなどにも左右されます。
特に左右されるのがストーリー。
中村屋さんのカレーは、それ自体かなり美味しいですが、そのストーリーが深いです。
下記に引用します。
このストーリーで美味しさにさらにスパイスが加わります。
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今から遡ることちょうど100年前の1915(大正4)年、当時、英国の植民地として圧政に苦しんでいたインドで、独立運動に身を投じていた、ひとりのインド人青年革命家、ラス・ビハリ・ボースが、英国政府の追及を逃れ、日本に亡命してきたことから始まります。
しかし、日英同盟を結んでいた日本政府は、ボースに国外退去を命じます。
新聞でボースの身の上を気の毒に思っていた、中村屋創業者の相馬愛蔵・黒光(こっこう)夫妻は、店の裏にあるアトリエでボースをかくまうこととなったのです。
相馬夫妻のもとにかくまわれていた3カ月半の間、ボースが夫妻のためにカリーライスを作ったのが、後に中村屋が「純印度式カリーライス」を発売するきっかけになったと言われています。
その後約4年間、ボースは隠れ家を移り住む逃亡生活を送りましたが、それを支えたのが相馬夫妻の長女、俊子でした。中村屋を出た後のボースとの連絡役を務め、心を通い合わせた二人は1918(大正7)年に結婚します。