コロナウイルスの見通し32 スペイン風邪に学ぶ1
もちろん、医療水準などが違うので、単純な比較は出来ませんが、
人類が経験したパンデミックとして、スペイン風邪から学べることは多いと思います。
ワクチンがないという意味では、スペイン風邪もコロナウイルスも一緒です。
1918~1920年にかけて地球を襲ったスペインかぜでは、当時の世界人口の約3分の1にあたる5億人が感染し、2000万人から4500万人が命を落とした。現在では、このスペイン風邪は、A型インフルエンザウイルスによる流行であることがわかっています。日本におけるスペイン風邪による死者の推移は以下のようになっています。
http://www.tokyo-eiken.go.jp/sage/sage2005/
まず目につくのが、恐ろしいことに、第二波、第三波が来ていることです。この理由は、第一波で集団免疫が出来上がっていなかったか、ウイルスが変異したからのどちらかかと思われます。
http://www.tokyo-eiken.go.jp/sage/sage2005/
「当時の日本の総人口は56,667,328名ですので、第1回目の流行では,全国民の37.3%がスペインかぜに罹患したことになる」ので、第一波で集団免疫が形成されきっていたのか微妙な数字です。一般には、スペイン風邪は、集団免疫の形成によりおおよそ終息したと考えられており、統計の精度を考えると、第一波で集団免疫が形成されたと考えても良いかもしれません。(一般的には、第二波は集団免疫不完全により起きたと考えている人が多いようです) 当時は、今に比べれば、ノーガードに近かったと考えられますが、第一波の終息には、おおよそ8ヶ月程度かかっていることがわかります。
個人的には、半自粛体制下では、集団免疫の獲得には1年はかかるように感じます。
また、集団免疫を獲得せずに、おおよその終息をした場合には第二波の警戒はやはり必要かと思います。